研究分野
本コースは、5つの研究分野から構成されています。社会基盤・防災に携わる様々なテーマを各研究分野の題材として取り上げ、研究を行っています。
災害社会工学分野 『自然災害による犠牲者ゼロの社会をデザインする』
私たち人間は、快適、安全で幸せな毎日を過ごすことができる環境を確保するために、街づくりを進めてきました。しかし、都市や地域は生き物のようなものです。人々の暮らし方や価値観、そして社会の変化によって、求められる都市の機能が変わったり、いろいろな問題が生じています。例えば、近年では、自然災害の発生によって全国各地で大きな被害が生じており、都市の防災力の向上が求められています。このような都市の様々な問題を解決するために必要とされる、総合的な戦略が都市計画です。本研究分野では、特に自然災害に対して安全・安心な社会の確立を目的に研究を行っています。
流域環境学分野 『人間と自然が調和する環境をデザインする』
水は様々な形で人との関わりをもっています。生きるために必要な水、ときに洪水のように災いをもたらす水、山紫水明と謳われる環境としての水。 より豊かな国土の創造を考える上で、望ましい流域環境とは何か、本研究分野では水の流れやそれに伴う物質・エネルギー輸送の研究を中心に、水の流れの物理である水理学と地球上の水循環を調べる水文学を基礎として、この問題に取り組んでいます。
環境工学分野 『環境新技術で汚染のない水環境をデザインする』
河川、湖沼や沿岸海域の水質汚濁や富栄養化、地下水汚染、酸性雨や地球温暖化の問題など、環境問題は多様化し、人々の受ける環境リスクは増加しています。このような中で、快適で、安全で、潤いのある生活環境を創造し、持続的に発展可能な都市や地域社会を建設するための環境工学や生態工学に関わる研究と教育がますます重要になっています。 本研究分野では、健全な水循環の構築や水環境の保全を目指し、人為的な環境への負荷を適切に低減して安全で持続可能な社会や環境の創生に貢献する環境技術に関する研究を行っています。
地盤工学分野 『大地震や豪雨時にも安心な地盤をデザインする』
建設構造物を支える地盤の性質を知ることは、構造物全体の安全性を考える上で非常に重要です。特に地震の多いわが国においては、大地震時の地盤の挙動予測が欠かせません。地下水位の高い砂質の地盤で「液状化現象」が発生することはよくご存知でしょう。 本研究分野では、土の物理特性・力学特性を実験的に解明するとともに、実際の端の基礎やトンネルなどの縮小模型を使い、地盤と建設構造物との相互作用について調べています。また降雨による浸透水が堤防などの安全性に与える影響や、新たな造成などにより地盤が長期沈下しつづける問題など、防災工学的視点からコンピュータによるシミュレーションを行い、実際問題への適用性を検討しています。
構造工学・コンクリート分野 『自然を相手に長大な時間と空間をデザインする』
橋やダムなどのように、社会基盤構造物には実にたくさんの種類や形式があります。これら構造物はますます巨大化するとともに複雑化の一途をたどっています。本研究分野では、これらの構造物を安全かつ経済的に建設するため、力学を基礎にして、構造物の材料特性、強度や変形をコンピュータによる構造解析や実験から調べています。また、建設材料の中心となるコンクリートには、過酷な自然環境や複雑化する建設構造物の施工に応てさまざまな条件が要求されます。本研究分野では、耐久性、施工性、経済性、環境を考えながら高性能なコンクリートの開発に挑戦しています。
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