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群馬大学理工学研究院 環境創生部門 構造・コンクリート分野 構造研究室

TEL. 0277-30-1610

〒376-8515 群馬県桐生市天神町1-5-1, 7号館4階413号室

研究内容RESEARCH CONTENT


開口合成法を用いた欠陥形状再構成手法の開発

異方性開口合成

 現状の超音波非破壊評価法は,現場の技術者の熟練度に大きく依存する,いわば定性的な検査方法です. 構造物内部にき裂が存在するか否か等の判定は,現場の技術者の熟練度に大きく依存されます. そのため,現場の技術者の熟練度にできるだけ依存しない定量的な超音波非破壊評価法の開発が望まれています. 本研究では,上の写真のような開口合成法や,逆散乱解析法等の逆解析手法を用いて,構造物内部の欠陥形状を再構成する方法について研究しています. また,可視化結果をできるだけ高速に描くために,近年注目されているGPUの利用なども検討しています.

逆散乱解析を用いた欠陥形状再構成手法の開発

異方性逆散乱 異方性逆散乱

 近年, 炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)などの先進異方性材料の利用が進んでいます. しかしながら, 異方性材料は強い音響異方性を示すことから,超音波の伝搬や散乱現象は複雑になることが知られています. そのため, 異方性材料中の欠陥を, 通常の超音波非破壊評価法で探傷した場合,音響異方性の影響で,探傷精度低下の可能性が懸念されております. そこで,本研究では, 先進異方性材料中の欠陥に対する弾性波動散乱解析(順解析)や, 順解析データを用いて欠陥の位置や形状特定を行う逆散乱解析(逆解析)手法を開発し, 先進異方性材料に対する超音波非破壊評価法への適用性能を検討しています.

粘弾性逆散乱

 様々な用途で開発される高分子材料は応力-ひずみ関係が時間依存性を示すため、 粘弾性体として評価する必要があります。粘弾性体に対し、非破壊検査の一種である、超音波探傷試験を用いる場合は、 材料内部において超音波が減衰してしまうため、欠陥有無の特定を行うための散乱波の取得が難しくなることが問題点として 挙げられています。そこで、粘弾性材料内部における、超音波の伝搬挙動の解明や、欠陥を特定する手法の開発が望まれています。 本研究では、実務を想定した3次元粘弾性体に対し、演算子積分時間領域境界要素法を用いた順解析手法の開発並びに、 欠陥から得られる散乱波形データを用いて、欠陥の形状を特定するといった、逆散乱解析手法の開発を行いました。

時間反転法を用いた複雑形状CFRP中の欠陥に対する非破壊検査手法の開発

timereversal timereversal

 多分野で注目を集めるCFRPは,今後薄板としての構造に留まらず,複雑な形状での利用が検討させています. 一方,複雑形状CFRPに従来の超音波非破壊評価を適用した場合, CFRPの音響異方性が原因となり,欠陥位置検出は困難を極めます. そこで,時間反転法と呼ばれる逆解析手法に着目し,新たな非破壊検査手法の開発を行っています. 上図は,提案手法によって屈曲CFRPに存在する欠陥位置を検出をした結果を示しています.

トポロジー感度を欠陥検出指標に用いた時間反転法の応用研究

トポロジー トポロジー

 超音波非破壊評価法の将来課題は、材料内部の欠陥の有無判定のみならず、 欠陥の位置、個数、形状を同時に判定する技術の開発です。本研究では、 時間反転法とトポロジー最適化理論を応用した、新たな逆解析手法の開発を目指しております。 上の図は、材料内部の欠陥からの散乱波形を求める時間領域境界要素解析(step1)、 そして観測波形を時間反転して、再入射した時間反転解析(step2)、 またトポロジー理論を応用して複数の欠陥の位置、個数、形状を特定した逆解析結果(step3)です。 逆解析結果より、材料内部の欠陥の位置、個数、形状を概ね特定できていることが分かります。


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