本学科在校生から受験生の皆さんへのメッセージです。
私は地盤工学研究室に所属し,現在は主に住宅基盤に関する研究を行っています.軟弱地盤上に住宅を建てた際に生じる地盤沈下は,大きな問題となっており,特に住宅沈下の地盤が不均等に沈下する不同沈下は,住宅の安全性や利便性に深刻なダメージを与えます.そうした問題に対して,どのような対策が有効かを検討するために様々な実験が行われているのですが,私はそれらの実験をコンピュータによるシミュレーションを用いて解析的に検討しています.また,地震を含む自然災害の現地調査なども行ってきました.
社会環境デザイン工学科の各研究室で行われている研究の魅力は,その「身近さ」にあると思います.地盤に関する研究,構造物やその材料に関する研究,災害時の住民の避難に関する研究,環境・水質に関する研究,河川に関する研究など,どれも人間が生活してく上で非常に重要で,社会の基盤となるものです.それだけに責任は重く大変ですが,非常にやりがいがあり,人々の生活の向上に役立つ研究をしていると感じられます.
私は阪神・淡路大震災の報道を目にして以来,自然災害に関心があり,群馬大工学分を志望しました.そして「弾塑性学」や「防災工学」,「土質力学」などの授業から地盤研究への関心を深めました.大学や専攻学科によってその先の人生が完全に決まるわけではありません.しかし,大学生活で学ぶことはその後の人生に少なからず影響を与えるのではないかと思います.志望校合格という目先の目標だけでなく,先を見通して行動することも大事なのではないでしょうか.
(在学時のインタビューより)