本コース(旧建設工学科および旧社会環境デザイン工学科)卒業生が社会に出て、どんな仕事をしているのかを紹介します。
大林組に入社後は、建設現場での管理業務を数年間経験した後、主にセメントの硬化時に生じる発熱によって発生するコンクリートの温度応力に起因したひび割れの制御対策に対する研究開発業務に携わってきました。
現在は、新たな分野に挑戦中で、2009年9月からスイスにある原子力廃棄物処理事業に関する研究機関に出向しています。偶然にも同機関で研究をされている半井准教授にお会いしました。日本から遠く離れた異国の地で、群馬大学の関係者にお会いできるとは思ってもいなかったため、とても驚くとともに、慣れない海外生活で貴重なサポートをいただきました。
この研究機関では、原子力発電によって生じた放射性廃棄物の長期に亘る安全な処理方法について、様々な研究が行われています。放射性廃棄物の安全な処理方法の確立は、日本のみならず電力供給の一部を原子力発電に頼る国々共通の重要な課題となっています。そのため、本機関でも世界各国と連携して研究が進められており、そのような環境で仕事をすることができ、毎日たくさんの刺激を受けています。赴任期間中に、技術的なことばかりではなく、欧州諸国の文化に触れることで視野を広げられればと思います。
群馬大学での大学生活では、建設に関る基礎的なことについて勉強できたことはもちろんですが、何よりも、研究と論文執筆の作業を通して物事を順序だてて思考する方法について学ぶことができたことは、現在の私にとってとても大きな財産となっています。
また、群馬大学は先生方と学生との距離がとても近く、学生一人ひとりに対しとても親身になって指導をして頂けるように感じます。先生方には在学中だけではなく卒業後も折に触れ助けて頂いており、そのような中で、縁あって数年前に博士課程に入学することができ、博士号を取得することができました。
大学生活は、知識を広げられる良い機会であることはもちろんですが、将来にわたって良い影響を与えてもらえる先生方や友人と知り合えるとても良いチャンスだと思います。これから入学される学生の皆さんには、ぜひ積極的に色々な人と関って、楽しい学生生活を送ってもらえればと思います。