本コース(旧建設工学科および旧社会環境デザイン工学科)卒業生が社会に出て、どんな仕事をしているのかを紹介します。
主に「多自然川づくり」に関わる仕事をしています。河川の改修にあたって、治水上の安全性を確保したうえで、河川の自然環境を保全・復元したり、良好な河川景観を形成するための調査・計画の仕事です。「この川の良いところはどこか」を調査し、「どういう川にしたいのか」とイメージを膨らませながら計画を練っています。現場が出来上がった後、ちゃんとそこに生き物がいたり、子供たちが水遊びしていると嬉しくなります。
学生時代の研究テーマは「植生群落を伴う開水路乱流の構造に関する研究」でした。川の中に生えている木が、洪水流に与える影響を把握するための基礎実験です。この研究が、川を相手にしている今の仕事にも少なからずつながっています。
キャンパスのある桐生は、学ぶ場として恵まれていると思います。周辺には山と川などの自然環境があり、街には昔の面影を残す建物も多く、なかなか情緒的でした。
「建設工学」は、地域の川や道路など、人々が触れる機会が多い公共空間づくりであり、「その地域にとってふさわしい空間とはなにか?」を最も問われる分野だと思います。河川の設計に関する仕事は、実際には、洪水に対して安全な川幅を検討したり、護岸等の構造物を設計するなどハード面の設計が多く、空間づくりといったソフト面の仕事は必ずしも多くはありません。しかし、ハード面の仕事であっても、良い空間にしたいという意識を持って取り組むとが大切だし、その方が楽しいと思います。