研究成果・調査レポートなど
本研究センターで行っている研究内容を紹介します。
研究紹介:有限要素法による土砂災害対策工事の効果計測
土砂災害発生の危険性が特に高い箇所については、適切な対策工事をしておく!
 より効果的に災害の軽減を図るためには、行政機関や住民の意識改革だけでなく、災害発生の危険性の特に高い場所に対する対策工事をあらかじめ行っておくことが理想的です。局所的な集中豪雨はしばしば大規模な土砂災害を引き起こします。
 例えば、平成19年9月に発生した台風9号の接近に伴う豪雨によって、群馬県甘楽町では全長約440m、幅約130mに達する大規模な地すべりが発生し、林道などが寸断されました(写真:左)。このような地すべりを将来に渡って防止するため、同現場に対しては、集水井を用いて地下水位を下げるとともに、杭を打設して斜面全体を安定化させるような各種の対策工事が、群馬県により緊急実施されました(写真:中)。このような対策工を適切に実施し、斜面を安定化させることができれば、土砂災害の危険性を格段に小さくすることができます。
 本研究室では、地すべりをはじめとする各種土砂災害を防止するための対策工の効果を判定するためのコンピュータ・シミュレーション技術を開発しています。実際の斜面を構成する土の力学的性質を適切に考慮した地すべり現象の予測法としては有限要素解析(図:右)がその代表例です。私たちが開発した有限要素解析プログラムは、土砂災害防止の対策工事を適切に進めるための設計支援システムとして、実務での活用が進められています。
平成19年台風9号によって大規模な
地すべりが発生した群馬県甘楽町の被災現場
集水井や杭の打設などの対策工事を実施した
群馬県甘楽町の被災現場
有限要素法による
コンピュータ・シミュレーション結果
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